いろいろな甘味料シリーズ① 『 トレハロース 』

2022.08.17 知識情報

いろいろな甘味料シリーズ① 『 トレハロース 』

いろいろな糖トレハロース甘味料


砂糖は昔から多くの人に親しまれている甘味料ですが、その代替品としての甘味料もさまざまに研究・開発されてきました。
以前は、それら新しい甘味料の多くは戦時中や終戦直後の砂糖不足の代替品として使われていました。しかし、現在ではカロリーを抑えたり、味質の改善、虫歯予防、腸内環境改善など様々な目的のための甘味料があります。

今回はその中のひとつ、トレハロースをみていきましょう。


トレハロースってどんな甘味料?


トレハロースは、もともと天然にある糖質のひとつです。キノコ類や酵母、えび類、海藻類などの生体内に存在しています。

トレハイラスト.jpg

甘味度は砂糖の4割ほどで、後を引かないすっきりとした上品な甘さが特徴です。カロリーは砂糖と同じ4kcal/gです。

市販されているトレハロースは、以前は酵母から抽出していましたが、現在はでんぷんを原料として作られます。でんぷんはブドウ糖分子がいくつも繋がった構造をしており、そこに2つの酵素を作用させることにより、ブドウ糖分子が2つ繋がった構造のトレハロースが作られます。

この製法が確立されたことで大量生産が可能になり、もともと持っていた優れた物性のため和菓子や洋菓子、パンやレトルト食品、冷凍食品など幅広い加工食品に使用されるようになりました。

様々な加工食品に使われるようになったトレハロースの機能とはどんなものでしょう。


甘いだけじゃないトレハロース


まずはでんぷんの老化の抑制です。
保水性が高いため、もちやごはん、パンなどのでんぷんを含む食品に使うとその食品のやわらかさを持続させます。
(でんぷんの老化を遅らせる作用は砂糖にもあり、過去のコラム『すし飯がずっとしっとり でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力』で でんぷんが老化すること自体とそれを防ぐメカニズムを詳しくご紹介しています)

またその保水力の高さにより、食品の離水防止作用があります。
トレハロースが水分を抱え込み、食品から水分が分離してしまう「離水」を防ぐ効果があります。この効果も砂糖にもありますが、砂糖に比べ甘さが少ないため甘さを控えめにしたい食品に向いています。

トレハイラスト②.jpg

その他に味や香りを引き立て、反対に苦み・臭みを抑える効果や、タンパク質の変性・脂質の分解を防ぐ効果もあります。

これらの機能でいろいろな場面で活躍しているトレハロース。身の回りの加工食品でも裏面の原材料名にすぐに見つけられると思います。今度探してみてくださいね。


当社にもグラニュ糖にトレハロースを加えコーヒーの味を引き立てるコーヒー専用スティックシュガー「パールトレハ」があります。コーヒーがお好きな方にぜひ試して頂きたい自信作です。




【関連記事】

なめらかな食感に役立つ 砂糖の保水性
2019.10.21
なめらかな食感に役立つ 砂糖の保水性
すし飯がずっとしっとり でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力
2020.10.29
すし飯がずっとしっとり でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力
異性化糖 ~トウモロコシやイモから作る糖~
2020.11.25
異性化糖 ~トウモロコシやイモから作る糖~



【商品詳細/ご購入はこちら】

k09.jpg    パールトレハ 3g×25本