お祭りの定番といえば綿あめ。小さいころに食べた人も多いのではないでしょうか。 じつは綿あめの材料は砂糖のみ。
なぜ材料は砂糖だけなのに、ふわふわになるのでしょうか?
綿あめ作りに使う砂糖
綿あめを作るために使われる砂糖は「ザラメ糖」とよばれています。ザラメ糖には白ザラ糖とカラメル色の中ザラ糖の二種類があります。光沢のある大きい結晶と、純度の高さが特徴で、淡白で上品な甘さを持ち、主に高級和菓子などによく使用されます。
綿あめになるためのキーワードは「状態変化」
では、実際にザラメ糖は、どのようにして綿あめになるのでしょうか。
ザラメ糖が綿あめに変化する過程には、「状態変化」が関わっています。物質の変化のうち「化学変化」が物質そのものが変化してしまうことに対し、「状態変化」とは物質が圧力や温度の変化により固体や液体、気体に状態が変化することです。例えば氷が水に、水が水蒸気になる変化などがあります。
綿あめでも、ザラメ糖を加熱し結晶(固体)から液体に変化させ、再度冷却して繊維状(固体)に状態変化させているのです。
綿菓子機の仕組み
綿あめを作るための「綿菓子機」の仕組みをもとに、綿あめのつくり方をご紹介します。
綿菓子機には、遠心力が利用されています。
綿菓子機は、大きいタライのような容器の中心に、筒状の回転窯があります。回転窯には加熱台、回転のためのモーター、そして数十の細孔(噴出孔)があり、ここから綿あめが出てくる仕組みになっています。
まず、ザラメ糖が回転窯の内部に入ると、高温で加熱され、融けて液体に変化します。そして、液体に変化したザラメ糖は、回転の遠心力により噴出孔から回転窯外の空気中に放出され、一気に冷却されて繊維状に固まっていきます。この繊維状のザラメ糖を、空気を含ませながら棒で巻き取ることにより、私たちがよく目にするふわふわの綿あめができるのです。
進化する綿あめ
「お祭りの食べ物」というイメージが強かった綿あめですが、近年ではさまざまな場面で目にすることが増えました。カラフルなものやフレーバー付きのもの、料理のトッピングなどにも使われており、綿あめの専門店も出店されています。
今度見かけたら、甘くてふわふわ、幸せ感じる綿あめをぜひ食べてみてはいかがでしょうか。