「砂糖の種類と使い分け方」のコラムで砂糖の種類ごとの特徴や味の違いをご紹介しましたが、砂糖には「糖度」と「甘味度」という指標があります。
砂糖の「糖度」は、ショ糖の純度
砂糖の「糖度」は、砂糖に含まれる「ショ糖」という成分の割合のことで、糖度が高いほどショ糖が多くなります。
「糖度」という言葉は近頃ではフルーツにも使われていますが、これは砂糖における「糖度」とは異なります。
一般的に、フルーツの糖度にはショ糖以外の糖やそのほかの栄養成分なども含まれますが、砂糖の糖度はショ糖のみを測った「ショ糖の純度」なのです。
下記に、砂糖の種類別に糖度をご紹介します。グラニュ糖が最も糖度が高く、氷砂糖や中ザラ糖がそれに続きます。
砂糖の種類 | 糖度(Z°) |
---|---|
グラニュ糖 | 99.97 |
氷砂糖 | 99.95 |
中ザラ糖 | 99.80 |
上白糖 | 97.69 |
三温糖 | 96.43 |
糖液をかけてしっとりとさせている上白糖や三温糖は、糖液の成分(ブドウ糖、果糖)が含まれているため、糖度がやや低くなっています。
「糖度」は光で計る?
砂糖の糖度は、ショ糖の「旋光性」という性質を利用し、「旋光糖度計」という計測器で測り、単位Z°で示します。
「旋光性」とは、光を通したときに波のように揺れる光の振動面を回転させる性質のこと。
ショ糖は、ある特定の条件で光を通すと右に66.5度回転させます。これをもとに、ある規定量のショ糖の糖度を100Z°とし、試料の砂糖の回転する角度(旋光度)と比較して糖度を算出します。
砂糖にショ糖以外の成分が少ないほど、旋光度は66.5度に近づき、糖度は高くなります。ちなみに、ブドウ糖や果糖などショ糖以外の糖にも旋光性はありますが、旋光度が異なります。
しかし、ただ単に砂糖水に光をあてただけでは旋光度は測れません。
光はいろいろな角度の振動面に揺れながら進んでいるので、特定の角度の振動面を持つ光だけを通す「偏光板」によって光を限定して旋光度を計測しています。
人間の感覚に基づく「甘味度」
「糖度が高い」=「甘味が強い」というわけではありません。
「甘味度」は、甘味料の甘さの強さを表す指標です。甘味度は、一定の条件下において、人の感覚に基づく「官能検査」で測定され、砂糖の主成分であるショ糖の甘さを1としたときの相対値であらわされるものです。
たとえば、果物に含まれる「果糖」が1.2~1.5、牛乳に含まれる「乳糖」が0.15~0.40と、糖の種類によって異なります。
上白糖をしっとりとさせている糖液はショ糖よりも少し甘味が強いため、上白糖はグラニュ糖よりも甘味がやや強く感じられます。
また、三温糖はカラメルにより複雑な風味がつき、こちらもグラニュ糖より甘味が強く感じられます。
人は、舌で感じる以外にも見た目やにおいなど五感を働かせて味を感じていて、同じショ糖でも温度や色などが変わると甘さの感じ方が異なると言われています。
このため、甘味度の計測には条件設定が重要になります。
出典
「砂糖百科」高田 昭和,橋本 仁,伊藤 汎監修(社団法人糖業協会、精糖工業会)
独立行政法人農畜産業振興機構 お砂糖豆知識<https://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0109.htm>
【関連記事】