砂糖を加熱すると...
子供から大人まで愛されるプリンにつきもののカラメルソース。プリンにカラメルソースの甘く香ばしい風味が加わると、より豊かな味わいになります。
また、駄菓子としておなじみの黄褐色のべっこうアメも、甘く香ばしい風味で親しまれています。
これらカラメルソースやべっこうアメは、砂糖に水を加え加熱することで作れます。
砂糖が溶けた水を加熱すると水分が蒸発し褐色になり、独特の甘い香りがしますが、興味深いことに、加熱する温度によって砂糖の状態が変わっていきます。
加熱する温度で変わる砂糖の形状
砂糖は温度によってどんな風に変わるのでしょうか?
砂糖が溶けた砂糖水は透明でサラサラですが、それを加熱していくと、徐々に薄黄色から茶褐色、そして濃い褐色まで色が変化し粘りも出てきます。下に、加熱する温度とその結果どんな状態になるのかをまとめてみました。(写真提供:製糖工業会)
加熱温度 | 加熱した状態 | 加熱後の名称 | 特徴 |
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103~105℃ | シロップ | ・透明でサラッとしており、甘味が強い。 ・ガムシロップやコンポートに使われる。 |
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115~121℃ | キャラメル | ・透明で、冷めると柔らかく固まる。 ※市販のキャラメルには生クリーム等も使われるため茶色になる。 |
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140℃ | タフィー | ・わずかに黄色になる。 ・冷めるとガリガリとした粗い固まりになり、キャンディ(柔らかいアメ)に使われる。 |
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165℃ | べっこうアメ | ・黄褐色で、冷めるとアメ状になる。 ・アメ、べっこうアメとして食べられる。 |
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165~180℃ | カラメルソース | ・茶褐色になり、香ばしい風味が出る。 ・プリンによく使われる。 |
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190℃ | カラメル | ・濃い褐色になり、香ばしい風味と粘り気が出る。 ・ソースや醤油、コーラ等の着色剤として使われる。 |
砂糖を加熱した後、冷やしても...
砂糖を加熱するとシロップ、キャラメル、アメ、カラメルと変化していき、それぞれの温度で砂糖自体が変化するため、冷やしても元の形状に戻らなくなります。
上記の表に示したように、砂糖の加熱温度によって変化するさまざまな状態は、多くの食べものに活用されています。温度によって性質が変わることは、砂糖の大きな特徴です。
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