「お砂糖」といえば、日本では上白糖やグラニュ糖、三温糖を思い浮かべますが、世界では、その地域で作られ、現地の人々の間で親しまれている砂糖があります。
原材料や製法、使い方や味など、個性豊かな世界の砂糖について、これから少しずつご紹介していきます。楽しみにしていてくださいね。
ヤシから作る砂糖
第1回の今回は、海外旅行先としても人気のタイで愛される「パームシュガー」を紹介します。
皆さんは、タイ料理はお好きですか? タイ料理の味は辛い、というイメージがあると思いますが、じつはココナッツミルクなどを使った甘いスイーツも充実しています。
タイではグラニュ糖のほかに、「ナームターンピップ」と言われるヤシで作った「パームシュガー」(ヤシ砂糖)という砂糖も広く使われています。
パームシュガーはヤシの木から採った樹液を煮つめ、黒砂糖と同じように型に入れて作ります。現地では、コップくらいの小さい容器に入れて固めたパームシュガーをそのまま売るほか、どろどろした状態でビニール袋や容器に入れて売っています。
パームシュガーの色は茶色く、味はグラニュ糖と比べてコクがあるので、カレーなど煮込む料理に入れると味わい深くなります。タイ料理はメニューによってグラニュ糖とパームシュガーの割合を変えるなど、砂糖にこだわって作るそうです。
世界でも有数の砂糖の生産国であるタイの食文化には、パームシュガーが根づいていました。タイ料理で唐辛子の辛さを体験したあと、甘いスイーツでほっとひと息つけるのはいいですね。
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