乳糖果糖オリゴ糖がどんなものかをご紹介するシリーズの10回目。今回はストレスの低減についてのヒト試験をご紹介いたします。
腸内環境を整えることのメリットはいくつもあり、さまざまな研究が行われています。排便回数の増加や免疫機能の改善、また、花粉症や睡眠への影響などの研究もあります。
そのような中で今回は岸野恵理子らが行ったヒト試験の試験内容と結果を簡単にご紹介します。
被験者:老人ホームに勤務する6名の職員。
試験期間:前観察期2週間、乳糖果糖オリゴ糖摂取期4週間、後観察期2週間。
試験食品:乳糖果糖オリゴ糖を3.9g含む「オリゴのおかげダブルサポートシロップタイプ」10gを摂取期に毎日摂取。
分析:前観察期の終わりと摂取期の終わりに糞便と唾液を摂取し分析。分析項目は「糞便及び唾液の細菌叢」「唾液中のストレスマーカー(※)」。
※ ストレスマーカー
αアミラーゼ活性 | ストレスにより交感神経系が活発になると、唾液中のアミラーゼの分泌も増加する |
コルチゾール濃度 | ストレスホルモンとも呼ばれていて、ストレスに対し血中や唾液中の濃度が上がる物質 |
クロモグラニン濃度 | 特に精神的なストレスによって唾液中に分泌が増える物質 |
試験結果:
「α-アミラーゼ活性」:
乳糖果糖オリゴ糖摂取前の 236U/mLが、4週間摂取後の試験では 151U/mLとなり、有意に低下しました。
「コルチゾール濃度」:
同じく摂取前の 1.30ng/mLから摂取後には 0.75ng/mLとなり、低値傾向を示しました。
「クロモグラニン濃度」:
同じく摂取前の 29.51pmol/mLから摂取後には 14.27pmol/mLとなり、低値傾向を示しました。
ヒト試験の結果の考察:
乳糖果糖オリゴ糖の4週間の摂取により、摂取前の検査と比較して、被験者の各ストレスマーカーの数値は全て下がる結果となりました。
このことは、乳糖果糖オリゴ糖摂取によって腸内のビフィズス菌が増え、腸内環境が改善したことで、介護職員として日常をすごす被験者のストレスが低減したと言えます。
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今回は「乳糖果糖オリゴ糖ってどんなもの?」シリーズの10回目、ストレス低減効果についてのヒト試験をご紹介いたしました。
今回の試験結果を元に乳糖果糖オリゴ糖の製造メーカーの塩水港精糖株式会社では、2023年4月にストレスを低減させる食品として特許を取得しています。
詳しくは特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」からご確認できます。(特許第7260903号)
これまでもさまざまなヒト試験を紹介してきました。ご興味があるものがありましたら、下のリンクからご覧ください。
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