ショ糖はどんなものでしょうか?ショ糖とは砂糖のことでしょうか?
今回はショ糖をご紹介いたします。
昔の辞書では「ショ糖」のことを「サトウキビから採った砂糖。葡萄糖・果糖などに対していう。(『広辞苑(第三版)』)」など、砂糖とショ糖は同じもののように扱われていました。
しかし現在は、ショ糖と砂糖は同じものではなく、一般的に以下のように使い分けられています。
「ショ糖」とは 砂糖の主成分であり、ブドウ糖分子と果糖分子がつながった構造をした「糖」の名前のことで、ブドウ糖や乳糖、果糖、麦芽糖などと同列のものです。
「砂糖」とは「ショ糖を主成分とした甘味料の総称」で、上白糖やグラニュ糖、黒砂糖(黒糖)、メープルシュガー、そしてタイなどで広く使われているパームシュガーなども含まれます。
グラニュ糖では成分の99.9%をショ糖が占めていますが、黒砂糖ではショ糖を含む炭水化物全体の割合は90.3%です。(日本食品成分表(八訂)より)
グラニュ糖と黒糖はともに砂糖の一種ですが、ショ糖=砂糖ではないのです。
ショ糖はブドウ糖分子と果糖分子がつながってできています。
食べると小腸でブドウ糖と果糖に分解された後に吸収されて、身体を動かすエネルギーとなります。
ショ糖は植物のサトウキビやテンサイなどが光合成により作り出し、自身の生育や繁殖などのために内部にたくわえます。
熱帯地方で繁殖するサトウキビは強い日光と高温の環境下で二酸化炭素を取り込んでショ糖を作ります。
一方、テンサイは北海道などの比較的、日差しが弱く、気温も低い環境下で二酸化炭素を使ってショ糖を作り出します。
※ サトウキビとテンサイについては過去の記事「サトウキビってどんな植物?」「テンサイってどんな植物?」を下のリンクからご参考に。
これらサトウキビとテンサイが作るショ糖をもとに日本の砂糖は作られていますので簡単に砂糖の作り方もご紹介します。
サトウキビは茎にショ糖をたくわえ、テンサイは根にたくわえます。それらを搾るなどしてショ糖を多く含んだ液を取り出して、ろ過し煮詰めて、濃度を上げた後に結晶させて砂糖は作られます。
ちなみにサトウキビは1本、約1kgありますが、そこから約120gのグラニュ糖がとれます。テンサイでは大きめの1kg程度のものであれば、約160gのグラニュ糖がとれます。
これらの植物がいかに多くのショ糖をたくわえているか分かります。
サトウキビやテンサイが日光と二酸化炭素から作るショ糖が砂糖となって食生活を彩っているのでした。
今回は砂糖の主成分のショ糖をご紹介いたしました。
以前、「砂糖の作り方」や「砂糖のはたらき」「砂糖と身体・砂糖を摂取すると、どうなる?」なども記事にまとめました。
よければ下のリンクから見てくださいね。
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