カロリーゼロや低カロリーなど、食品のパッケージに記載されるカロリーを意識する方は多いのではないでしょうか。
今回はそんなカロリーについてのお話です。
カロリーとは?
カロリーとはエネルギーの単位のひとつです。
人を含め生き物は生命維持や活動にエネルギーを必要としていますが、カロリーはそのエネルギー量の単位に使われています。
食べ物からとるエネルギーと、心臓や肺を動かすなど生命維持に使うエネルギー。それらの量をカロリーという単位を使って表しています。
具体的な1キロカロリー(kcal)は、簡単に言うと1Lの水を14.5℃から15.5℃へ1℃上げるエネルギー(熱量)と定義されています。
使われ方は、「砂糖は1gで約4kcal」など、その食品がもつエネルギー量を示したり、「ウォーキング30分で60kcal(体重50kg、普通の速さ)」など運動するための必要エネルギー量を示したりします。
また、エネルギー量を表す用法から転じて、「カロリー」は食品の持つ栄養価としての生理的熱量(エネルギー)そのものを指す言葉ともなっています。
食品のカロリーは?
身体にとって必要な栄養素はたくさんありますが、その中でもエネルギー産生栄養素(三大栄養素)といわれる炭水化物、脂質、タンパク質が人など動物にとっての主なエネルギーの元になります。
それぞれの栄養素ごとにカロリーが分かっていて、1gあたり炭水化物とタンパク質が4kcal、脂質は9kcalです。
牛肉や大豆など違う種類の食品でも中に含まれるたんぱく質部分については1g当たり4kcalと一定ですし、ごはんやパンなどはその成分のほとんどが炭水化物であるものは、食品としてのg当たりのカロリーもほぼ同じです。(水分量が大きく違いますので水分量を除いて計算する必要はあります)
これらエネルギー産生栄養素の摂取バランスは厚生労働省からおおむねの目標割合が発表されていて、1日に食事から摂取するカロリーのうち、炭水化物が50~65%、脂質が20~30%、タンパク質は13~20%となっています。
例えば、1日に摂取するカロリーが2000kcalの場合、炭水化物の50~65%は1000~1300kcalとなりますので、1gが4kcalの炭水化物を250~325g摂る目安になります。同様に脂質で45~65g、タンパク質で65~100gが目安量となります。
なお、炊いたごはん100gあたりの炭水化物量は37.1gです。
人の1日に必要なカロリーは?
1日に必要なカロリーは「基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル」で算定できます。成人男性は2000~2400kcal、成人女性では1400~2000kcalが必要カロリーの目安とされていますが、この推定エネルギー必要量は年齢や体重、活動量によって変わります。
1日の大半を座って過ごす人は身体活動レベルが低いため必要カロリーも少なくてすみますし、立ち仕事や、日常的に活発な運動習慣がある人は身体活動レベルが高くなるため必要カロリーも多くなります。
カロリーの摂取と使用に差があると?
カロリーの摂取量が使用量を上回ると、身体はすぐに使わないカロリーをg当たりのカロリー量の多い脂肪(9kcal/g)として蓄積します。
逆に使用量が摂取量を上回ると、蓄えていた脂肪をエネルギーとして使用します。一部、筋肉を構成するタンパク質も分解しエネルギーにします。
そのようにして一時的にカロリーが摂れないときなどに備えて、身体はエネルギーを蓄えているのです。
今回はカロリーについてお話しました。
身体のために必要なカロリーをバランスよく摂って、健康的な生活を心がけていきたいですね。