酵素って何?

2023.06.26 知識情報

酵素って何?

代謝消化発酵食品酵素

酵素と聞いて何か思い浮かぶものはありますか?じつは私たちの身の回りは酵素であふれています。
今回は、生命にとってなくてはならない酵素のお話です。



酵素とは


酵素は「生物がつくりだす触媒作用をもつタンパク質」のことです。
触媒とは、そのもの自身は変化せずに化学反応を促進する物質で、酵素は生体が作りだすことから生体触媒と呼ばれます。
身近なところでは唾液に含まれ、デンプンを消化する「アミラーゼ」などがあります。



鍵と鍵穴の関係「酵素の特異性」とは


通常、酵素は決まった基質にだけ働き、さらには基質に対して決まった反応だけを触媒します。
基質とは酵素の作用を受ける物質のことです。
それぞれの酵素はどのような物質を基質とし、それを何に変化させるかが決まっており、これを酵素の特異性といいます。決まった物質だけに作用する性質を「基質特異性」、決まった反応だけを行う性質を「反応特異性」といいます。ある基質は特定の酵素によってだけ、構造を認識されて結びつき、決まった酵素作用を受けるため、「鍵と鍵穴」のような関係に例えられます。


一般的に酵素は40℃を超えるあたりから、反応が遅くなります。これはタンパク質が熱に弱く、立体構造が変化し、酵素としての能力が失われるからです。
また、酵素の作用はpHによって異なり、7付近の中性がもっとも作用の強い至適pHとされています。



人の体内での酵素の働き


体内で生産される酵素のひとつが「消化酵素」です。消化酵素は食物の消化や吸収活動に欠かせません。
食べ物は、口から入り食道、胃など各消化器官の消化酵素によって栄養素を吸収できるまでに分解されます。
ご飯を噛んでいると甘く感じませんか。これは唾液中の消化酵素であるアミラーゼが、ご飯の主成分であるでんぷんを分解し糖が生じたためです。

もう一つは「代謝酵素」で、栄養素からエネルギーを生み出したり、細胞を再生したり、生命活動を支えている酵素です。
体内に吸収された栄養素をエネルギーにして、日常生活を送り、そのうえ新しい細胞へ生まれ変わらせています。

体内で「消化酵素」と「代謝酵素」は密接に関係しているのです。

酵素_挿入画像1_食事や運動などの日常生活を送るイラスト.jpg



発酵もたくさんの酵素のおかげ


医薬品や医療にも用いられる酵素ですが、もっとも身近に感じるのは発酵食品ではないでしょうか。
発酵とは食品に微生物が作り出す酵素がおこす良い変化のことで、微生物の酵素により発酵食品になります。

日本では味噌や醤油、納豆やみりんなど日頃から口にしている発酵食品が多くあります。和食に欠かせない発酵食品の多くは麹を使っており、麹菌はタンパク質をアミノ酸に分解する酵素やでんぷんを糖に分解する酵素など、たくさんの酵素を生成します。それらの酵素が大豆などの食品に働きかけ、発酵がおこります。

酵素_挿入画像2_納豆や漬物などの発酵食品.jpg



今回は酵素についてお話しました。
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