食後のデザートや間食で口にする果物には多くの果糖が含まれています。
冷やした果物を食べると、より甘く感じるときはありませんか?
甘くなるのには理由があるのです。
今回は果糖についてお話しいたします。
果糖ってどんなもの?
果物やハチミツに含まれている「果糖(フルクトース)」とは、ブドウ糖と同じく糖の種類を分子のつながり度合から3種類に分類した中の最も小さい分類、一つだけの分子からできている単糖に該当します。
果糖の甘味度は(ショ糖と比較して)1.2~1.5ほどの甘さで、カロリーは砂糖と同じく1gあたり4キロカロリーほどです。
果糖は水溶性が高く、室温の水にはその4倍量の果糖が溶けるほどで保湿性や吸湿性も優れているため、焼き菓子に加えてしっとりさせる効果もあります。
どうして果物を冷やすと甘くなるの?
冷やした果物は甘く感じませんか?果物には果糖、ショ糖、ブドウ糖が含まれていますが、果物の種類によって糖のバランスが異なります。果糖は糖の中でも甘味度が変化しやすく、特に果糖が多く含まれている果物では温度変化によって糖の化学的構造が変化します。
低温になると最も甘味が強い六員環構造(ロクインカンコウゾウ)(6つの原子が環状でつながって構成されている)になり、温度があがるとより甘味の少ない五員環構造(5つの原子が環状でつながって構成されている)に変換されるのです。
※出典:「菓子製造における砂糖の優れた特性 」
(独立行政法人 農畜産業振興機構)
果物の種類によって果糖の量に差があるので、果糖が多く含まれているリンゴやキウイ、梨やブドウなどは冷やすと甘さを強く感じやすいです。一方で、ブドウ糖やショ糖が多く含まれているバナナや柿、桃などは冷やしても甘みは増しません。
果糖が多く含まれているリンゴやキウイを冷蔵庫で冷やしてみてはいかがでしょうか。
より一層甘みが増しておいしくいただけると思います。
清涼飲料水に含まれる果糖ブドウ糖液糖とは?
清涼飲料水の原材料欄に「果糖ブドウ糖液糖」と書かれているのを見たことはありませんか?これは異性化糖といって、トウモロコシやジャガイモなどに含まれる「でんぷん」から作られています。
異性化糖はブドウ糖分子が数千個つながった状態でできている「でんぷん」を分解し、バラバラとなったブドウ糖に酵素を加えて一部を果糖にした混合液です。
また、似たような名前で「ブドウ糖果糖液糖」もありますが、こちらも異性化糖です。中に含まれる果糖とブドウ糖を比べて、果糖が多い場合は「果糖ブドウ糖液糖」、ブドウ糖が多い場合は「ブドウ糖果糖液糖」といいます。
果糖は冷やすと甘みが増す性質から、清涼飲料水やアイスクリームなどの製品に使用されています。
詳しくは、過去のコラム「異性化糖 ~トウモロコシやイモから作る糖~」もご参考に。
今回は果物に多く含まれている「果糖」についてお話いたしました。冷やすと甘さが増す知恵を日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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