ブドウ糖と聞いて思い浮かぶことはありますか?炭水化物に含まれていて、脳のエネルギーになると耳にしたことはないでしょうか。今回は、脳以外にもとても大切なブドウ糖についてお話いたします。
生き物のエネルギー源「ブドウ糖」って何?
人をはじめ多くの生き物にとっての必要不可欠なエネルギー源がブドウ糖です。
「ブドウ糖」は果物やハチミツなどに含まれ、よく食べられています。
しかしそれらよりブドウ糖分子が数千個つながった状態の「でんぷん」、すなわちパンや麺、白米などとして食べられている方が体内にとりこまれる「ブドウ糖」はずっと多いのです。
砂糖も「ブドウ糖」分子と果糖分子が一つずつ繋がった構造をしており、分解された後、ブドウ糖と果糖がそれぞれ体内にとりこまれます。
ブドウ糖は名前の通り「糖」の一種ですが、糖の種類を分子のつながり度合から3種類に分類した中の最も小さい分類、一つだけの分子からできている「単糖」に該当します。
砂糖は「少糖類(オリゴ糖)」、でんぷんは「多糖類」に分類されます。(※1)
単糖である「ブドウ糖」そのものは、食べたとき消化、つまり分解をする必要がなく、そのまま小腸から吸収されるため、いち早くエネルギーになります。
パンなどのデンプンは口に入った後、唾液に含まれるアミラーゼをはじめとする数種類の消化酵素により数千個のブドウ糖のつながりが切断されていき、最終的には一つずつのブドウ糖となり、その後に吸収されます。
体の中でのブドウ糖は?
吸収され血管内に入ったブドウ糖は、身体全体の細胞に届けられ、それぞれの細胞で細胞活動の主なエネルギー源となります。
多く使われるのは内臓や骨格筋、脳です。例えば、心臓や肺を動かしたり、歩いたり、脳が物を考えたりするとき、それぞれのエネルギー源として使われます。
特に脳では通常、ブドウ糖のみがエネルギー源となり、しかもとても多くの量を生命維持のために一日中休みなく消費します。脳は重さでは体重の2~3%ですが全身の消費カロリーの20%ほどを使うと言われています。
そのため身体には、脳や体中の細胞が使えるように血中のブドウ糖濃度を一定に保つ仕組みが備わっています。
とても簡単に言うと、身体は食事をして血中にブドウ糖が新たに入ってきたとき、すぐに使わない分を肝臓や筋肉に蓄え、それでも多ければ脂肪に変えて蓄えます。逆に脳や全身の細胞がブドウ糖を使って血中のブドウ糖が減ってくると、蓄えていたものを血中に戻します。(※2)
血液中のブドウ糖濃度を「血糖値」といいます
このようにして身体中に過不足ないブドウ糖をいつでも血液によってめぐらせています。 この血中のブドウ糖濃度が「血糖値」と言われるものです。空腹時で血液100mL当たりブドウ糖70~110mgが正常値と言われます。
血糖値を一定に保つ仕組みは生きていく上で非常に重要なものです。
高い血糖値が健康診断でよく問題になりますが、これは血中のブドウ糖を細胞にうまく取り込められなくなる病気「糖尿病」が疑われるからです。症状が現れずに徐々に進行することも多いため定期的な検査が有効です。 (※3 糖尿病につきまして詳しくは最下段の厚生労働省HP内の説明をご確認ください)
また、低い血糖値はさらに問題で、直接生死にかかわります。糖尿病の治療に使われる強制的に血糖値を下げる薬などの影響で起こることが多く、個人差も多いと言われていますが、血糖値が70mg/dLを下回ると手指の震えや動悸、頭痛、さらに30mg/dLを下回るとけいれんや昏睡といった症状がでます。
けいれんや昏睡などは脳の機能の一部が働かなくなることで起こり、脳は生命維持のためいつでもブドウ糖を必要としているのです。
ブドウ糖がもたらす眠りへの効果とは?
脳のエネルギー源ブドウ糖の摂取により、記憶力が向上することも発表されていますが、睡眠に関してもブドウ糖が貢献していることが分かっています。
肉や卵、牛乳に含まれている必須アミノ酸のトリプトファンは、脳内で神経伝達物質のセロトニンを増やしますが、そのセロトニンは精神を安定させて気持ちを明るくする作用をもたらします。そして夜、セロトニンはメラトニンとなり睡眠へいざないます。
このもとになるトリプトファンが脳内に入るときにブドウ糖を必要とするのです。
もし寝るタイミングで空腹を感じているようでしたら、牛乳にブドウ糖を入れて飲むのも良い寝つきのためにいいのかもしれません。でも、ベットに入る前に歯磨きは忘れずにしてくださいね。(※4)
今回は生き物にとって大切な糖の「ブドウ糖」についてお話しいたしました。
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※1 糖の分類につきましては、過去のコラム「「オリゴ糖」って何だろう?」もご参考に。
※2 血糖値を一定にする仕組みに関して詳しくは、過去のコラム「砂糖と身体 ①砂糖を摂取すると、どうなる?」もご参考に。
※3 糖尿病について詳しくは厚生労働省のHPを参考にしてください。 (e-ヘルスネット「糖尿病」、厚生労働省 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-048.html)
※4 血糖値が下がると空腹を感じます。
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