近年、ダイエット効果や血糖値の上昇を緩やかにする効果が注目されているサラシア。
どんなものかご存知ですか?
サラシアって何?
サラシアとは、インドやスリランカ、タイなどの熱帯雨林地域に生息する「サラシア属植物」と呼ばれるツル性の植物のことです。
自立せずに他の木などにからまって成長するツル性の植物とはいえ、大きなものは、長さが10m、茎の太さが直径20cmになるものもあります。茎というより幹と言った方がいい太さです。
アジアの広い地域に自生しているため種類も多く、「サラシア レティキュラータ(Salacia reticulata)」「サラシア オブロンガ(Salacia oblonga)」など約200種類もあると言われています。
どんな効果があるの?
インドの伝統的医学療法アーユルヴェーダでは、記録が残る範囲でも100年以上前から血糖値対策や皮膚のトラブルなどさまざまな目的でサラシア属植物の幹や根の浸出液が使用されてきました。
スリランカではこの植物の幹や根から作られたコップで水を飲むことで血糖値対策に効果があると信じられ、現在でも食後の血糖値上昇を穏やかにする目的に使われています。
実際、近年の研究でサラシアから抽出される成分には「食後血糖値の上昇抑制」や「脂肪の蓄積抑制」、「腸内環境改善」などさまざまな作用があることが明らかになっています。
それではそれぞれの効果をみていきましょう。
サラシアの「食後血糖値の上昇抑制効果」
サラシアに含まれる成分には「αグルコシダーゼ阻害作用」があり、食後血糖値の上昇を抑える効果があります。
血糖値の上昇のメカニズムをおさらいすると、パンなどの糖質を食べると血糖値が上昇しますが、そこにはステップがあります。
パンの成分のデンプンはブドウ糖分子が数十個つながった形状をしていますが、そのままでは栄養素として体内に吸収できません。
まず、デンプンは消化器官から出る消化酵素の「アミラーゼ」や「αグルコシダーゼ」によってブドウ糖分子間のつながりが切られていきます。
そして、最終的に一つひとつのブドウ糖単体にまで分解されます。
そのブドウ糖単体となってはじめて小腸から血管内に取り込まれ、血糖値が上昇するのです。
このときの消化酵素「αグルコシダーゼ」の働きを「サラシア」は部分的に阻害します。
つまり、食べた糖質が血中に取り込まれるブドウ糖に分解されるのを一部妨害します。
そのため、食前にサラシアを摂っておけば、食後の血糖値上昇がサラシアを摂らない場合と比べて抑えられます。
サラシアの「脂肪の蓄積抑制効果」
これも「αグルコシダーゼ阻害作用」による「食後血糖値の上昇抑制効果」の結果でもあります。
食事により血中に取り込まれたブドウ糖は身体や脳を動かすエネルギーとして使われますが、過剰なブドウ糖は、食間など補給がないときに備えて中性脂肪となり、脂肪として蓄積されます。
そのため、食前にサラシアを摂っておくと、同じ量のパンを食べたとしても、そもそも血中から吸収されるブドウ糖が減るため、蓄える脂肪も減ることになります。
サラシアの「腸内環境改善効果」
これも「αグルコシダーゼ阻害作用」によります。
つまり、ブドウ糖分子が数十個つながった「デンプン」を「ブドウ糖」単体に分解する消化酵素「αグルコシダーゼ」の働きを一部阻害することで、分解されきらずブドウ糖が数個から10個程つながった状態の糖(この状態の糖を「オリゴ糖」 といいます)となって、小腸や大腸内を通過していきます。
それらのオリゴ糖は体内に吸収できないため、腸壁に棲む腸内細菌が食べ、増えることで、腸内環境が改善されると考えられています。
以上3つの効果について塩水港精糖株式会社のホームページで実験結果も交えて説明しています。よろしければご覧くださいませ