「どうして消臭剤は臭いを取り除けるの?」「チューブ入り調味料の香りや色が長持ちするのはどうして?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?
それらの効果をもたらす一つの答えが『魔法の糖質』とも呼ばれているサイクロデキストリンにあります。
名前を聞いたことがないという方も多いと思いますが、実は私たちの生活を豊かにするために幅広く活躍しています。
サイクロデキストリンってどんなもの
サイクロデキストリンは、馬鈴薯やトウモロコシなどのでん粉を原料とし、酵素を作用させて作られる食品添加物です 。
ブドウ糖がリング状に結合し、ドーナツのような形の分子構造をしているため環状オリゴ糖とも呼ばれています。
そんな特徴的な分子構造を持つサイクロデキストリンには、分子構造の内側に味やにおい、栄養成分などさまざまな物質を取り込むことが出来るユニークな性質があります。
この機能は『包接』と呼ばれ、揮発性を抑えたり水にとけにくいものの溶解性を高めたり、さまざまな物質の性質を変えることができます。
そのため食品への利用のほか、医薬品・化粧品など幅広く利用されています。
また、結合したブドウ糖の分子の数によって、α−サイクロデキストリン(ブドウ糖6個結合)、β−サイクロデキストリン(7個結合)、γ−サイクロデキストリン(8個結合)と呼び方が変化します。
結合しているブドウ糖分子の数によって構造の内側に包接できる分子の大きさが異なるため、用途に合わせて使い分けられ、さまざまな場面で活躍しているのです。
私たちの生活の中でのサイクロデキストリンの活躍
サイクロデキストリンは分子構造の内側に、におい成分を閉じ込めることが出来るため消臭スプレーにも使われています。
あらかじめ香料が閉じ込められたサイクロデキストリンが服に吹きかけられると、徐々に香料が空気中の水分に入れ替わり、香りが持続します。
さらに洋服に付いていた、におい成分を閉じ込め消臭します。
これが、サイクロデキストリンを含む消臭スプレーが、においを取るメカニズムです。
他にもサイクロデキストリンが包接することで光や熱などに弱い成分を安定化させ、退色や変質を防ぐ性質があります。
ダイエット食品としてのサイクロデキストリン
そして、中でもα−サイクロデキストリンは食品や飲み物に溶かして摂取しやすいため、ダイエット食品としても注目を集めています。
人の体内で消化されにくい難消化性の水溶性食物繊維としての機能があり、分子構造の空洞内に余分な脂溶性物質などを取り込んでそのまま体外に排出する性質があります。
また、糖の吸収を阻害し食後血糖値の上昇を抑制する機能性表示食品の関与成分でもあります。
持久運動のパフォーマンス向上にも
最近の研究ではα−サイクロデキストリンを継続的に摂取することで、ヒトの腸内細菌の一つである『Bacteroides uniformis (バクテロイデス ユニフォルミス)』が活性化し、持久運動のパフォ-マンスが向上することも判明しました。
詳しくは 『α-サイクロデキストリンで持久力が向上!』のコラムを読んでみてくださいね。
以上のような機能をもった『魔法の糖質』サイクロデキストリン。
じつは当社でも販売を開始してからもう40年になりますが、今後さらに多くの場面で活躍が期待されています。
なお、当社ではサイクロデキストリンの業務用商品を販売しております。お問い合わせは こちらよりお願い致します。
※ 「サイクロデキストリン」は「シクロデキストリン」、「CD」など呼ばれ方がいくつかあり、当社では「サイクロデキストリン」を採用しています。