皆さんは、グラニュ糖と上白糖の違いについて意識したことはありますか?
世界的に見ると、最も多くの人に使われている砂糖はグラニュ糖です。しかし、日本人にとって砂糖と言えば上白糖で、家庭での使用量はグラニュ糖の6倍以上になります。
これは海外から見てもとても珍しく、上白糖を日常的に使うのは日本独自とも言えます。なぜ日本ではこれほど上白糖が多くの家庭で使われているのでしょうか?
グラニュ糖と上白糖の違い
グラニュ糖は結晶が比較的大きく、純度が高くサラサラとしています。
固まりにくく扱いやすいため、世界中の家庭や、加工食品の原料に使われています。
一方で、上白糖は結晶が細かく、しっとりとした手触りが特徴的な砂糖です。
江戸時代に色が白く不純物が少ない、質の良い砂糖を「上・白砂糖」と呼んだことが名前の由来と言われています。
どうして日本のキッチンでは「上白糖」なの?
その理由を、作り方の違いから考えてみます。
上白糖とグラニュ糖は、原料から砂糖の結晶を取り出すところまでは同じように作られます。
その砂糖の結晶にブドウ糖と果糖を成分とした糖液でコーティングをすることで上白糖になります。その結果、しっとりとした風合いになり、ごく微量ながらも数種類の糖が含まれることでグラニュ糖とはまた違った風味になります。
グラニュ糖が後味すっきりのメリハリあるストレートな甘さなら、上白糖は複数の糖の風味が口の中で広がっていく、バラエティに富んだ甘みを感じる砂糖と言えるでしょうか。
上白糖のこの製法は明治時代後期、和三盆糖に似せた砂糖を生み出すべく作られたという説や、砂糖の固結防止のため振りかけた糖液によって結果的にしっとりとした風合いを持つ砂糖となり、それが好まれたため広まったという説があります。
どのような経緯としても、日本の味噌や醤油などの味付けや、複雑さ繊細さを求める日本人の味覚に合うことで広まった砂糖だからこそ、現代でも日本の家庭では上白糖が愛されているのだと思われます。
グラニュ糖と上白糖はどういった場面で使い分ける?
まず、上白糖のコクは料理の味わいを深めることができる万能選手ですので、日常的に幅広くお使いただけます。焼き色が付きやすくなるという特徴もありますので、出来上がりの見栄えも良くなります。
一方でグラニュ糖はクセがなく上品な甘さが特徴的で、野菜や果物等の素材を活かした料理やお菓子作りに適しています。香りや風味を楽しみたいコーヒーや紅茶などの飲み物にもぴったりです。
世界的に多く使われているグラニュ糖と日本人が好んで使っている上白糖の違いや特徴を紹介させていただきました。
日本の多くの家庭で上白糖が選ばれてきたのは、日々の食事にも味わいや繊細さを求めてきた日本人ならではと言えるでしょう。
砂糖の違いを意識すれば、料理やお菓子作りがもっと楽しく、奥深いものになるかもしれませんね。
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